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	<title>生まじめな戯れ</title>
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<h1>生まじめな戯れ</h1>
<p><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/redirect?path=ASIN/4480025944&amp;link_code=as2&amp;camp=247&amp;tag=poesia-22&amp;creative=1211"><img src="../images/kimajime.jpg" class="illust" alt="生まじめな戯れ―価値相対主義との闘い"></a></p>
<p>ポストモダンというモードが若年層におおきな力をふるった時代のはなし。奇しくも小林秀雄が死んだ年にそれは出版され、『構造と力』と題された。著者である浅田彰氏は、しかし、その手の「ポストモダン」とは遠く隔たった人物である。たとえば氏は、「戯れ」というキーワードを用いて哲学的思弁にふけ、適当に物事にふれる態度に否定的だ。むしろ、徹底的に思考すること。それこそが真に戯れることだと言った。その意味で、浅田氏は西部邁氏と相通じるものがある。 </p>
<p>『生まじめな戯れ』（筑摩書房）というこの書物は、その逆説を真正面に見据えたエッセーである。著者の文体は瑞々しく、後年の朗々とよみあげてゆくような文体の萌芽をみることもできる。だが、何よりも注目すべきなのは、その文体が「生まじめ」に「戯れ」るためにとられたスタイルであるということだ。西部氏は言う。「正義といい倫理といい、綱渡りの曲芸師が頼りにする一本の棒のようなものだ。危険な綱を渡るもののみがその絶大な効用を知りうるような、しかし実体としてはいささかの変哲もない、あの長い横棒こそ正義のエクスカリブ、つまりアーサー王の聖剣なのである」（「吃りの文体」）。 </p>
<p>小林秀雄が、「思想とは文体である」と言うとき、それはスタイルのことにほかならない。その証拠に、<span lang="en">style</span>を辞書で引いてみればよい。そう、スタイルとは、話し方や生き方の様式のことなのだ。逆に言えば、己れの生き方から離れ、虚構の思想を築き上たとしても、それは欺瞞に満ち溢れた信用ならぬものである。 雁字搦めになった言葉を修辞によって救うこと。精神の硬直を文体によってときほぐすこと。それこそが、「戯れ」を思考するうえで必要なことであったと納得させられる。 </p>
<p>ところで、この本は『構造と力』の翌年に出版された。ついでに言えば、『構造と力』が出版された年、つまり1983年に生まれたのが私たちの世代である。小林秀雄の死、あらたな思想の流行、そしてその反動。それらが一緒くたになった思想の真空状態とでもいうべき時代に書かれた本書は、ポストモダンに与したり、それへの単純な反動に与したりすることの否定の書でもある。なぜなら、それらの間で平衡を維持すること、つまりは「綱渡りの曲芸師が頼りにする一本の棒」を手に入れようとした西部氏の、軽やかな、それでいて生まじめな戯れこそが、この書の副題でもある「価値相対主義への闘い」であったからだ。</p>
	<h2 id="FOOTER">この文書について</h2>
	<dl id="STATUS">
		<dt>公開</dt>
		<dd>2005-09-24</dd>
		<dt>改定</dt>
		<dd><!--#config timefmt="%Y-%m-%d" --><!--#flastmod file="kimajime.html" --></dd>
		<dt>制作者</dt>
		<dd>加納　景 &lt;<a href="mailto:%77%65%62%6D%61%73%74%65%72%40%70%6F%65%73%69%61%2E%6A%70">webmaster&#64;poesia.jp</a>&gt;</dd>
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